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Posted by ミリタリーブログ at

2015年02月17日

おいでレスキュー


今回は誰得記事です。 非常に読みにくいです。
9-Line MEDEVACについてです。


まず 9-Line MEDEVAC Request とは名前の通り9項目からなるMEDEVAC(医療救助)要請で、作戦行動中などに傷病者が発生した際、患者や現場の状況を簡潔に伝え適切な搬送要請を行うためのガイドとなっています。

こちらが実際のリスト


やるべきことは単純。項目のチェック、要請、待機です。
まずは必要な項目を順番に見ていきましょう。

Line-1 : Location of Pickup Site
【ピックアップする場所の指定】
場所の指定はアナログにマップを使った方法(通信が安全でない場合暗号化することも)か、おそらく現在はGPSでのMGRS座標(NATOで用いるUTM座標)指定になるようです。

Line-2 : Radio Frequency, Call Sign, and Suffix
【自身の周波数とコールサイン】
これは事前に決まっているものを伝えます。

Line-3 : # of Patients by Precedence
【緊急順別の患者数】
・A - Urgent. 緊急(2h以内に病院へ運ばなければならない)
・B - Urgent-Surgical. 緊急手術(2h以内に手術が必要)
・C - Priority. 優先(4h以内の搬送が必要)
・D - Routine. 慢性的な症状あり(24h以内の搬送が必要)
・E - Convenience. まだ大丈夫(悪化した場合搬送の必要がある)
※ 複数の患者を伝える場合、それぞれの間に”ブレーク”と言うか間隔を空けること。

Line-4 : Special Equipment Required
【特殊器具の用意】
・A - None. 必要なし
・B - Hoist. ホイスト(ヘリで吊るす機材)
・C - Extraction equipment. 摘出器具
・D - Ventilator. 人工呼吸器

Line-5 : # of Patients by Type
【状態別の患者数】
・L+# - Litter. 担架移動(絶対安静)の患者数
・A+# - Ambulatory(sitting). 歩行可能な患者数
※ こちらも複数の患者を伝える場合、それぞれの間に”ブレーク”と言うか間隔を空けること。

Line-6 : Security of Pickup Site / Number and Type of Wound, Injury, or Illness
【戦闘中:ピックアップ地点の安全度 / 平時:傷、傷害、または病気の数と種類】
・N - No enemy troops in area. エリアに敵無し
・P - Possible enemy troops in area (approach with caution). 敵がいる可能性有り(慎重な接近が必要)
・E - Enemy troops in area (approach with caution). 敵あり(慎重な接近が必要)
・X - Enemy troops in area (armed escort required).敵あり(武装した護衛が必要)
※戦時でない場合は負傷の原因や重篤な出血(患者の血液型とセット)を報告。

Line-7 : Method of Marking Pickup Site
【ピックアップ地点の目印】
・A - Panels. マーカーパネル
・B - Pyrotechnic signal. フレアシグナル
・C - Smoke signal. スモークシグナル
・D - None. 無し
・E - Other. その他
※ 救助車両(ヘリ)が来る前にパネルやスモークの色を伝えないよう注意すること。
セキュリティ確保のために必ず搬送車両側から色を報告し、ユニットに確認する。

Line-8 : Patient Nationality and Status
【患者の国籍とステータス】
・A - U.S. military. 米軍兵士
・B - U.S. civilian. 米国籍の民間人
・C - Non-U.S. military. 米軍以外の兵士
・D - Non-U.S. civilian. 米国籍以外の民間人
・E - EPW 捕虜
※ここにはU.S.以外にも自軍の国籍やISAF等の友軍ユニット名が入ります。
あくまで搬送先の警備体制などを整えるためなので人数を伝える必要はありません。

Line-9 : NBC Contamination / Terrain
Description
【戦闘中:NBC汚染の種類 / 平時:ピックアップ地点周囲の地形や障害物】
・N - Nuclear. 放射能
・B - Biological. 化学兵器
・C - Chemical. 生物兵器
※いずれかに該当する場合のみ報告します。
戦時でない場合、ピックアップ地点の周辺地形や特徴(山、湖沼、高い建築物など)を報告。


以上の項目を通信前にチェックしやっと救助要請に入ります。
通信が繋がったら用意した情報を一つずつ”Line-1〜〜〜、Line-2〜〜〜......"と伝えていきます。
これらは一度に全て伝える必要は無く、とりあえずLine-1~5を待機中の救助ユニットに伝え、それを受け移動中の車両(ヘリ)に対してLine-6~9を伝えることも可能です。
また通信は25秒以内で完結させなければなりませんが、各項目の間に間隔を空け無線を受ける兵士が正確に情報を書き留められるよう注意しなければなりません。
要請を完了した後は救助ユニットからの通信を待ちます。


こんなのをまとめ始めたきっかけがCold Responce 2014に参加したFSLK200の動画で実際に搬送要請をしているシーン(1:37~)があったから、というだけなんですがちゃんと調べてみたら面白いですね。
実は動画で使われているシートにはLine-3のB,Eが無いんですが、2010年に変更があったようです。
あとLine-5にE(Escort)が追加されていましたが、改訂時期までは分かりませんでした。






雰囲気作りの小物として欲しくなったので動画を元にドイツ語版を作ってみました。
NATO標準のものなので西側装備ならどの国でも使えると思います。
リエナクトや撮影会で考えると航空支援要請よりも現実味があり、かつ一般部隊でも使えるネタなので面白いかもしれませんね。

誤訳や勘違いがあるかもしれませんので、間違っている箇所がありましたらご教授ください。
9-Lineは今回のもの以外にも、IED被害用やCAS用といった種類もあるようなので、また勉強してみます。
ではでは〜  


Posted by Mr.若妻 at 19:00Comments(0)小ネタ

2015年02月14日

”手に入れたレアナイロンはサイズが合ってない”の法則


予告通り、前回のスモックとセットになっているKSKホーゼ(Scharrer)と比較用のKöhler製です。


ぱっと見前者の方がとても印象に残りますが、どちらも構成はオーソドックスなKSKホーゼ。
Scharrerの方はスモックと同じく各部の当て布と、さらに太腿部の大型ポケットにも同じTANの生地が使われています。
詳しいデニール数は分かりませんが、迷彩生地よりもしっかりした素材が使われていますね。
対してKöhlerは全て迷彩になり、ポケットの部材が本体と同じ生地になっています。


前回スモックをピンクパンサーと書きましたが、そうでない生地と比べるとこんな感じになります。
光の具合によっては写真よりも赤みが強く見えることもあり、なかなかキモシブくてgutです。
着ることを考えるとKöhlerの方が色々合わせやすくてありがたい()



Scharrerのタグ。スモックと同じ2002年製ですね。
間違ったサイズ表記だったのか何か変更があったのか、タグ下に訂正されたサイズが記されています。(どうでもいいですがこの書体かわいいです)
それでモザイクなんですが、まさかの名前入りでして一応消させてもらってます。
ご本人との取引だったみたいで、ポケットに現在勤められている某企業の名刺とイラク語のボキャブラリーシートが入ってました。イラク帰りってことなのかな?



スモックに関してはKSKでしか見たことがないですが、このホーゼは海軍特殊のKampfschwimmerも使っていました。
というよりKSKとKampfschwimmerはお互いで人員補完し合っているので、もしかしたらそういう事情も絡んでくるのかも?
今回のネタとは関係ありませんが、実はKampf~は米SEALsとも人事交流をしているようです。こういう話はSEALs側からは出てくるんでしょうか...?



最近新しいナイロンに全く触れていないので息が苦しいです。
ドイツの香りが恋しい......
それでは〜  


Posted by Mr.若妻 at 22:00Comments(0)ナイロン

2015年02月11日

何度目のスモックか?

ブログに書けるネタが無いまま、あけおめが言える期間も過ぎてしまいました。
このままだと暫く書くことが無いので紛らわしにまたスモック記事ですw
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急ですがこのブログ内では
いわゆるフレックタンを 5Fb
ヴィステン、トロペンタンを 3Fb
新型ヴィステンを Wüsten
と呼ぶことにしました
ブンデスは迷彩の呼称が良くも悪くも色々あるので一応明記しておきます
北方孤軍奮闘録さんで分かりやすく解説されているので種芋サンはチェケラ!
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今回のスモックは、Scharrer製の2002年モノ。3Fbです。



TANカラーの肘当てと、画像では分かりませんがピンクパンサー生地が非常に特徴的です。
いわゆる初期アフの頃に使用されたもので、恐らくその時期に派遣されたKSKチームのみに支給されたのではと推測しているのですが、確証が持てる情報が無いのでナントモ......02年タグ以外見たことが無いので多分そうなんだと思います(適当

細かい部分を見ると、ほとんどArktisのそれと同じような仕様ですね。
ただScharrerスモック全般の特徴?として他社製同サイズ品よりも一回り大きいというのがあるっぽいです。
もし手に入れる機会があった時はちょっと気にしておくと良いかもしれません。

使用例は色々あるんですが、初期アフのブンデス特殊事情は闇が多くて撮影時期の分からないものばかり。
なんとなく分かるやつだと、”(当時KSK司令官であった)ラインハルト・ギュンツェル氏が2002年頃にアフガンのKSKを訪問”とのキャプションが付いた写真で着用している隊員が見られます。

5Fbのスモックの上に重ね着していますが、実は暖かそうな見た目に反しスモック自体はかなり薄い生地なので防寒着としては期待できないです。BDUやインナー類、アーマーなどを着込む前提で考えると厚くて動きにくくなるよりは良いのかも。

あとはいつ撮ったか分からないけど有名な写真でチラホラ写ってますね。


一枚目の右端はM4にCCTベスト......
実はこの人をやりたくて初期アフに手出したんですが形にするにはまだ遠い道のり。
その人以外にもBHIのコマンドチェストハーネスやらLBT-1879やら初期アフKSKは面白いです。


偶然かもしれませんがフード後部のタブ、なんとなく迷彩のパターンを合わせようとしてる...?


次記事は今回のスモックとセットになるKSKホーゼ+αです。
お楽しみにロミロミ〜  


Posted by Mr.若妻 at 13:40Comments(0)ナイロン